不用品・粗大ゴミ回収
あさひ回収サービス

生活保護を受給されている方

引っ越しや施設への入所に伴う家具・家財の整理は大きな負担です。
自力で大量の不用品を処分することは困難ですし、専門の不用品回収業者に依頼すれば費用がかかります。

しかし、経済的に余裕のない生活保護受給者にとってその費用負担は簡単ではありません。
こうした状況で不用品回収や家財処分の費用を自治体が補助・負担してくれるケースがあります。
生活保護受給者の方から自治体経由で不用品回収を依頼する際のポイントと手順について、具体的な事例を交えながら解説します。

実際にあったケース

ある生活保護受給者の入居者様がご事情により福祉施設へ長期入所することになり、残された家財道具などの不用品回収を自治体経由でご依頼いただいた例があります。 このケースでは、回収にかかる料金を自治体が代わりに支払いました。

では、生活保護を受給している方の不用品回収費用や家財処分費用を自治体が負担してくれる条件とは何でしょうか。

結論から言えば、一定の条件を満たせば自治体が不用品回収にかかる費用を負担してくれる可能性があります。 生活保護制度には「一時扶助」と呼ばれる臨時の補助制度があり、被服費や生活用品購入費、引越し費用、入学準備金などと同様に、家財処分にかかる費用についても必要に応じて支給を受けられる場合があるのです。

ただし、誰でも無条件に利用できるわけではなく、自治体による費用補助を受けるためには所定の条件を満たす必要があります。

条件1：
単身で借家に住んでいる

ご本人が一人暮らしで賃貸住宅に居住している場合です。
借家から退去する際には、借りていた住居を原状回復して貸主に返却する必要があるため、部屋の荷物や不用品をすべて片付けなければなりません。
また単身者の場合、同居家族がいないため、残された家財道具の管理や処分を代わりに行える人が他にいません。
そのため、自力での片付けが難しく専門業者への依頼も経済的に困難な場合に、自治体より「家財処分料」として費用の支給が検討されます。

条件2：
病院・介護施設等に入院・入所

ご本人が現在、自宅を離れて病院や介護施設、障がい者支援施設、職業訓練校などに入院・入所中である場合です。
何らかの事情で自宅ではなくそうした施設で生活している場合、自宅の片付けを自分で行うことはできません。
特に長期間にわたって入院・入所している場合は、自宅に戻らず退去する必要が出てくることもあります。

条件3：
入院・入所期間が6か月以上

上記の入院・入所が長期に及ぶケースで、具体的には6か月以上継続する、または6か月を超えることが見込まれる場合です。
生活保護制度では、入院などで長期間自宅を離れると住居に対する「住宅扶助」（家賃や住宅維持費の補助）の対象外となります。
その結果、自宅の家賃補助が打ち切られ、賃貸契約を維持できなくなるため退去せざるを得ません。
保管場所がなくやむを得ず家財を処分する場合には、「住宅扶助」の代わりに一時扶助として家財処分費用の補助を受けることが可能となります。
逆に、もし荷物を預ける保管場所が確保でき、退所後に再び家財道具を使用したい場合には、「家財保管料」の補助を受けられるケースもあります。

条件を満たしていない複数人世帯でも、例外的に費用支給の対象となるケースがあります。
例えばご夫婦で生活保護を受給している世帯で、お二人とも6か月以上の長期入院・入所となり自宅に戻る見込みがない場合や、母子家庭で母親が長期入院しお子様が児童養護施設に預けられた場合などです。
このように本人が単身者でなくても、実質的に自宅を維持できない状況であれば家財処分費用が支給される可能性があります。

また、自治体によっては支給条件に多少の違いがあり、「住環境の改善」を目的として例外的に費用補助が行われる場合もあります。
例えば入居者が認知症などで自力で片付けできず衛生状態が著しく悪化している住居の場合など、退去を伴わなくても健康・衛生面の理由で自治体が不用品処分に介入するケースが報告されています。
これらの判断基準は地域の福祉事務所や担当ケースワーカーによって異なりますので、詳しくはお住まいの自治体に確認してみると良いでしょう。

条件を満たし自治体からの補助で不用品回収を行う場合、実際にはどのように手続きを進めればよいのでしょうか。

自治体による費用補助を受けて家財処分を進める際の一般的な手順を説明します。
自治体の窓口に相談し、不用品回収業者の見積もりを取る
まずは担当のケースワーカーやお住まいの自治体の福祉担当窓口に相談しましょう。
不用品の量や状況を伝え、自治体側に費用補助の可否や手続きについて相談します。その上で、不用品回収を行ってくれる業者に見積もりを依頼します。
通常、自治体が直接業者を手配することは少なく、依頼者ご本人や代理のご家族、またはケースワーカーが業者に連絡を取る形となります。

見積もり依頼の際には、依頼者の氏名（代理人でも可）現場となる住所連絡先見積もりに来てもらう日時の調整などを伝えます。
自治体から費用補助を受ける場合は複数業者の料金を比較する「相見積もり」が求められるため、少なくとも3社程度の不用品回収業者に見積もりを依頼することが必要です。
各社の見積額やサービス内容を比較検討し、自治体やケースワーカーとも相談のうえで適切な業者を選定しましょう。

補助金（追加扶助）の申請書類を提出する

業者から取得した見積書（3社分程度）を揃えたら、自治体に対して補助金交付の申請手続きを行います。
生活保護受給者が不用品回収・家財処分費用の助成を受けるためには、所定の追加扶助申請書類を福祉事務所に提出する必要があります。
申請書類に各社の見積書を添えて提出し、自治体の審査・承認を待ちます。自治体は提出された見積内容を比較検討した上で費用の支給を決定し、実際に依頼する業者を選定します。
無事に支給が認められれば、自治体の指示に従った業者によって家財道具や不用品の回収・処分作業が行われることになります。
なお、自治体によって手続き方法や必要書類が多少異なる場合もありますので、不明点は担当ケースワーカーに確認しながら進めると安心です。

生活保護を受給している方が、自力での片付けや業者への支払いが難しい不用品回収・家財処分を行う際でも、以下の条件を満たしていれば自治体から費用の補助を受けられる可能性があります。

・単身で借家に居住していること
・病院や介護施設・福祉施設、職業訓練施設などに長期入院・入所していること
・その入院・入所期間が6か月を超えて継続する、または6か月を超える見込みであること
・複数人世帯の場合でも、夫婦とも長期入院の場合や母子家庭で母親が長期入院の場合など例外的に支給が認められるケースがある
・自治体によっては住環境の改善を目的に特別に費用補助が行われる場合もある

上記の条件に当てはまる場合はもちろん、仮に明確に満たしていない場合でも、まずは担当のケースワーカーや自治体の窓口に相談してみることが大切です。
各自治体ごとに支援の可否や方法が異なる場合がありますが、専門家に相談することで最適な解決策や支援制度を案内してもらえるでしょう。
経済的な理由で家財の処分にお困りの生活保護受給者の方は、遠慮せず自治体の制度や不用品回収のプロに相談し、安全かつ適切にお部屋の整理を進めてください。